理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

平成15年6月
理事長 安井俊明
お楽しみ音楽会 (産経新聞の取材を通じて)

 6月27日に、お楽しみ音楽会が催されました。その様子は、当日の産経新聞の夕刊に大きく取り上げられました。
「日本の文化を子ども達に伝えるのが、幼稚園の大切な責務の一つである」という当園の主張に賛同された産経新聞の杉江記者からコンタクトがありました。以下、記者との手紙のやりとりの一部を紹介します。

まず、当園の考える歌唱指導について考えを述べたく思います。
当園では、約25年前から「お楽しみ音楽会」を毎年1学期末に開催しています。その目的は、次の通りです。

(1)

子ども達に音楽的によい曲(旋律)に触れさせたい。

(2)

綺麗な格調高い日本語でかかれた詩に触れさせたい。

(3)

上記 (1),(2)を満たしている唱歌・童謡を通じて、時代をこえて残すべき日本の文化を子ども達に伝えたい。

(4)

読み
合唱の練習を通して、

みんなで協力すること

物事を達成するには頑張りや努力や一時の苦しみに耐えることが必要なこと

歌い終わった後の充実感達成感

等々を子ども達に経験させたい

(5)

結果として、先生の研修になり、先生の多方面における力量upにつながる。

以上の目的で行っています。
特に保護者からは、(3)(2)についてもの観点から、「家で家族中で一緒に歌い話がはずみました」とか、また「会場でも小さな声で保護者も一緒に歌っていました」等の話を多く聞きます。

さて、この10年ばかり、唱歌・童謡が日本の社会(とくに小・中学校の音楽の教科書)から姿を消しつつあることを歎く記事が多くみられるようになりました。産経新聞の記事をまとめて出版された“教科書から消えた唱歌・童謡”もその一つですが、この記事が、昨夏に貴社のある方と話をしようと思ったきっかけとなりました。
すなわち、その記事(本)にかかれている事を、既に25年前から実践している園があるということを紹介して頂くのも、一つの価値かなと思った次第です。
 教育の現場にいるものとして、選曲の際には、音楽の観点以外に、国語(日本語)の観点や日本の文化を伝えるという社会学的な観点の必要を多く感じます。園児達に詩の意味を説明(お話・写真・実物に触れさせる等々の方法で)すると、爛々と目を輝かせ興味をもちます。また保護者も唱歌・童謡を心から楽しんでいます。歌の指導が、「単なる歌うという技術の伝達」に終わるのでなく、日本の文化を伝えていくという観点にも踏み込んでいきたいと考えています。

 長々と記しましたが、日本人が日本人としての誇りを失ってしまった現状を、長谷川三千子氏は「溶ける背骨」と表現されました。6月27日には、お会いできることを非常に楽しみにしております。当園の音楽会を通して、日本そのものを俯瞰したお話も伺いたく思います。