理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

平成29年8月2日
理事長 安井俊明
教育とは
子供の心を震わせ魂を揺さぶり やる気を引き出すこと
―― 学校は教師力で決まる
 教師力とは 先生の熱意と指導力 ――

 福岡・大分での豪雨、その中で被災された方々に心からお見舞い申し上げると共に、本稿では、安松幼稚園の教育そのものについてお話したく思います。
安松幼稚園では、
美しいものを見て聞いて触れて、美しいと感じ心震わせる情緒(情緒教育そのもの)
困難や障害、与えられた負荷を乗り越えて、情熱的に最後までやり抜く力(人間力)
の2点を育てるべく、日常の教育活動を行っています。
 6月のお楽しみ音楽会では、出演の園児・先生・参観の保護者の方々の胸の内に、多くの感動の渦を巻き起こしました。
年少さんは入園わずか2か月半で、みんなと一緒に、滑舌よく、お友達と声を合せて歌える様になりました。年中・特に年長に至っては、歌の完成度の高さには驚かされるものがありました。

当日参観された年長の保護者の方には、子供達の気持ちを込めての歌声に情緒を感じ、負荷を乗り越えやり遂げた子供達の誇らしげな顔をご覧頂けたと思います。
 その後頂いたお便りの中に、「楽しい気持ちを持ちつつ本番に臨むことが出来たのは、先生方のご指導のおかげだと思い、感謝しております。
どのようにご指導されているのか教えて頂きたいくらいです。」とありました。
 それは、副題に記しましたように、先生の熱意と指導力から、すべてが生まれます。ここで、熱意と指導力の順序に、ちょっと注目して頂きたいのです。“熱意”が先にあって、次に“指導力”あるのです。ある意味、非常に専門性の高い力を持っている先生でも、子供への熱意・情熱が欠けていれば、その専門性が伝わらないばかりか、逆に子供の実態を観察することが疎かになり、独りよがりの指導になることが多々あるのです。
 安松幼稚園では、先生の最も重要な資質として、熱意を真っ先に求めます。熱意があれば、子供と充分に触れ合い、子供をしっかりと観察して、大人が頭で考えだした教材ではなく、子供の実態をベースにした教材の組み立て・指導ができる。そして熱意・情熱があれば、各分野での研鑚・学習に自ら取り組みますから、専門性が高まり、その意味での指導力もついてくるということなのです。
 先生の熱意がエネルギーとなり、先生と子供達が真正面からぶつかりあい、口先だけではなく、先生の溢れんばかりの想いが子供の心に届く。子供は敏感ですから、先生は本気で自分を思ってくれているということが分り、深い信頼関係が出来上がるのです。そういう触れ合いの中で、子供たちは心を震わせ魂を揺さぶられ、やる気が引き出されていきます。教育の原点はまさにここにあります。
 そういう信頼関係の上に、先生が個々の子供に合った高い負荷をかけても、子供はそれを楽しみながら乗り越えていくのです。
それでは、この春の卒園生の保護者の感想を3点紹介します。(字数の都合で一部要約しています)
●入園当初は、他のお友達が「手をつなごう」と声をかけてくれても、無言で顔をこわばらせ私の後に隠れていた娘が、今では、大きな声で「入ーれーて!」と遊びに入れてもらったり、困った事があると「やめて」と、自分で意志を伝えられるようになっていたり。お友達と協力し合う姿、笑い合う姿。
 この3年で、積極的に何にでも挑戦する様になり、体力面・精神面でも強くなり、本当に成長させてもらう事が出来ました。
 以前、お友達と末広公園に遊びに行った時、久しぶりに大きい滑り台を滑ったのですが、真っ直ぐに滑ってくる事が出来ず、バランスを壊して怖くて泣いてしまいました。
でも、しばらくしてもう1度挑戦し、最後にはこれでもかという位、何度も楽しんでいました。それを見ていたお友達のお母さんが、「あんな風になってしまったら、今日はいやになってしまっても仕方ないのに、あんなに早くすぐに立ち直れて、その日のうちに克服出来てすごいなぁ。」と、言って下さいました。

 

私は、同じ様な場面を幼稚園で何度か目にした なぁ、と。  あぁ…この子にも、すぐに出来ない事でもあきらめずに乗り越える力が育っているんだなぁ。そしてすごく有難い環境の中で3年間を過ごさせてもらえたんだなぁ、と改めて感じました。
 この3年間、いつでも何にでも全力で取り組む子供達の姿に、何度も心を打たれました。子供は本当に沢山の貴重な経験をさせてもらう事が出来、親子共にたくさんの気付きを与えて下さる幼稚園に、感謝の気持ちでいっぱいです。
 
 こんなにも卒園が近づくのをさみしいと思うとは。
まだこれから2年間、弟がお世話になりますが、初めて出会えた社会が安松幼稚園だったという事は、一生の宝になるのだと思います本当に困難を乗り越える力をつけてもらいました。そして優しさも。
厳しいといううわさに惑わされず、自分の目で確かめて良かった!!
●入園当初からよく泣いて、パジャマのままバスに乗った事もあったなぁと、よく主人とも話します。
 あんなに弱々しかった娘がどんどん成長し、年長では堂々とした表情に変わっていきました。精神的にも本当に強くなりました。
娘の口からもよく「何でもあきらめたら そこで終わり! 絶対あきらめない、何度も努力する!」という言葉が出て、ピアノの練習やマラソンなどコツコツと頑張っています。
 入園を決める頃、ここまで強くなるなんて思っていなくて想像以上です。「人見知りの子ほど変わりますよ! おとなしい引っ込み思案の子も安心して任せて下さい」と言って下さった先生の言葉通りになりました。
それも全て、先生達が日々子供達に全力でぶつかり指導してくれたおかげです。
 この3月のお別れ登山(理事長注:難所もある約15Kmのコースです)では、主人と娘が参加させて頂き、とても楽しい思い出ができました。主人が参加している中で先生達の動きを見て、帰ってから「安松の先生達は素晴らしい!」と嬉しそうに話し始めました。

 

登山の途中、かなりの難所の手助けが欲しい所で、誰かが「先生~!!」と呼ぶと、一斉に「はい!」
「はい!」とたくさんの先生が返事し、機敏な動きで集まってくる。安松の先生は、積極性があり本当に一生懸命だ。救急箱が欲しい時は阪口先生が真剣にいち早く届けようとする姿、偶然に六十谷駅で出会った中学生になった安松幼稚園の卒園生と会話する松浪先生の姿、その他の多くの先生達の姿にえらく感動したようで、普段無口で、特に会話もない夫婦ですが(笑)、嬉しそうにずっとしゃべっていました。
 そんな先生達の指導をする理事長先生・園長先生のブレのない教育方針に、主人も私も感動しています。
それを受け入れる先生達の素直な心・向上心には、尊敬の念しかありません。
この先生達のすごさが、娘にとって、そして他の多くの子供達の成長になっているんだなと思います。
●安松幼稚園に入園を決めて良かった!!! と強く思います。
 色々と探していたところ安松幼稚園のHPが目に留まり、写真の生き生きとした子供達の姿を見て、見学の問い合わせをしました。結果すぐに入園を決め、それから3年間、安心してお任せする事が出来ました。
 まず驚いたのは、どの先生も一度で子どもの顔や名前はもちろん、親の顔や下の子の事まですぐに覚えてしまわれる事です。
 そして「ダメな事はダメ」と、親の前でもきちんと子供に注意し叱って頂ける事。安松の多くのお母さんが「安松で受けている教育を当たり前と思ったらあかんよ。そこに在園している幸せを感じんとあかんよ!!」と仰いますが、安松の先生の力量、教育への想いやレベルは、ほんと普通じゃないです!
これは経験した人でないと分からないでしょう!!
入園前は消極的で大勢の中に入るのが苦手な娘も、今では“やればできる! やる時はやる”の精神で、たくさんのお友達ができ、優しく強くなったと思います。
(以上 引用終わり)

 本当に安松幼稚園の年長さんともなると、目の前の困難・障害、与えられた負荷を乗り越えて、情熱をもって最後までやり抜く力が育っています。お母さんも記されているように、真剣に全力で取り組むことの充実感・達成した後の喜びを知っているのです。
これらは、熱い心・情熱を持った先生が本気で子どもに接することにより、先生と子供との間に強烈な信頼関係ができ、心を震わせ魂を揺さぶられる中で、子供の心に本気さが芽生え、やる気がそこから生まれてくるものなのです。
本当に私も、園児には、お見事という以外に言葉が見つかりません。そして先生に深く感謝すると共に、上記のような受け止め方をされる保護者の熱い気持ちにも心から嬉しく思います
今までに「子供があんなに直向きひたむきになり、物事に取り組む様になるのはどのような指導をされているのでしょうか?」という多くの問いかけがありましたので、この稿となりました。ありがとうございました。


直向きひたむきで一生懸命な子供達 全力で取り組むことの楽しさが 顔に表れています