理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

平成19年7月
理事長 安井俊明
教育とは 子供にプレッシャーをかけ
それを乗り越えていく力をつけること

 昨今、日本の社会全体が全てにおいて過保護になりました。
子育てにおいても例外ではなく、子供の周りから危険なもの・ちょっとした障害を取り除き、温室の無菌状態という環境の中での子育てを目指しているかのようです。
 安松幼稚園では、「教育とは子供にプレッシャーをかけ、それを乗り越えていく力をつけること」と考えています。
 例えば歌の指導にせよ、持久走にせよ、言語の分野にせよ、「子供の発達段階を考えると、ここまでの指導をしたいし、十分に可能である」との教育目標を立てますと、当然子供達にふさわしい教案を練り授業に入ります。
 そして先生は全力でもって体ごと子供達にぶつかっていきます。それは子供達にとって一つのプレッシャーとなります。ある園児にとっては、ストレスとなる場合もあるでしょう。
こういう経験を通して、子供にプレッシャーを乗り越える力をつけさせたいのです。 

(誤解のないように申し添えますが、すべての授業は、子供の発達段階に基づいていることが前提です。十分に理解・吸収できる発達段階であり能力があるにも拘らず、それまでの園児の生活体験や育てられ方による、園児の心の強さ・弱さによって、何を与えても“ヘナヘナ”となる場合があります。)

 最初から子供に負担を掛けないもの無理のないものばかり与えて、楽しかった・良かった・よくやった 等々というのは、表面上のごまかしであり、子供は何の力も獲得しませんし、そういう教育はにせものです。
 例えば今年の音楽会において、愛知県の双嶺幼稚園・府内からは和泉カトリック幼稚園,聖ヶ岡幼稚園の先生方がお越しになりましたが、
 「子供たちは本当に楽しそうに歌っていますね。そして自信に満ちていますね。」
 「お母さん、見て見て。しっかり歌っているの聞いて聞いて!!という境地までいっていますね」
との感想をお聞きしました。
とても嬉しいことです。
 しかしそういう境地にいくまでには、プレッシャーや緊張をはねのける経験が必要なのです。これが本当の楽しさにつながり、その時の達成感が、自信や積極性を育てるのです。
昨今の社会現象としての引きこもりや、正反対にすぐに切れてナイフなどでの凶悪事件は、幼い頃の上記の経験が不足していることが大きな原因の一つになっています。
 子供達の心・体を鍛えましょう!! これこそ、子供達への大人の責任だと考えます。
そして子供が何かをする前にお母さんが手を出さずに、子供が物事に挑戦する経験や失敗の経験を積ませましょう。そして子供の背中をそっと押して後押ししてあげましょう。
最後にもう一度 記しておきます
教育とは子供にプレッシャーをかけ、それを乗り越えていく力をつけること