理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

平成25年6月28日
理事長 安井俊明
本を好きになると 世界が広がり 自分が変わる

 今年の音楽会は今思い出しても、「すごかったなぁ。先生と子供達との目と目がしっかりと合って、信頼関係がテレパシーとなって、電流が流れていたなぁ」という余韻に浸っています。
あるお母さんが、「初めて本番をホールで参観し、迫力に圧倒されました。これは幼稚園の音楽会かと疑ってしまうほどの空間でした。先生と子供達全員がこんなにも心を通わせ舞台を作り上げていることに今さらながらに衝撃を受け、涙が止まりませんでした」
 園児達の表情は、本当に生き生きとしています。
こういう経験を通して、“全力で物事に取りくむ” “心を一つにしてお友達と協力する“等の人としての骨太な面を学んでいくのだなぁとも感じます。大きい意味では、この経験もしつけの一つとも言えるでしょう。
 しつけは決して難しいことではありません。「相手の立場に立ち、考えることが出来る子供になる」これが基本なのです。しつけとは「我慢」を教えることです。「人間としての軌道」に乗せることです。
そしてそこから何かを学ぶことなのです。


 この人としての基礎・基本について一冊の本を紹介しましょう


『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』

ロバート・フルガム著 河出書房新書

 人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、私は全部残らず幼稚園で教わった。人間の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、幼稚園の砂場に埋まっていたのである。
私はそこで何を学んだろうか。

★何でもみんなで分け合うこと
★ずるをしないこと
★人をぶたないこと
★使ったものは必ずもとのところに戻すこと
★ちらかしたら自分で後片づけをすること
★人のものに手を出さないこと
★誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと
★食事の前には手を洗うこと
★トイレに行ったらちゃんと水を流すこと
★焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい
★釣り合いの取れた生活をすること ── 
毎日、少し勉強し、少し考え、少し絵を描き、
歌い、踊り、遊び、そして、少し働くこと
★毎日かならず昼寝をすること
★表に出るときは車に気をつけ、手をつないで、離れ離れにならないようにすること
★不思議だなぁ、と思う気持ちを大切にすること


上記のようなことを本から学ぶことが出来る。よい本との出会いは、世界を広げ自己を変革します。


 この夏休みに是非お勧めしたいのは、絵本を読んでやってほしいのです。僅かな時間でよいので,毎日継続してほしく思います。お母さんが読んで聞かせると共に、年齢によっては、自分で読みたいという意欲が湧いてくると思います。
 幼い頃に絵本に接することは、(親子の触れ合い)+(想像力が育まれ)+(本が好きになる)等、良いことずくめです。大人が想像するより効果絶大です。
 昨今の青少年の実態を観るとき、「幼い頃にお母さんと絵本を通しての触れ合いがあればなぁ」とまで思ってしまいます。全家庭での“絵本を通しての親子の触れ合い”を期待します。


ここでもう一つ、世界中で読まれている詩を引用しましょう。
『子どもが育つ魔法の言葉』は、22ヶ国語に翻訳され、世界中で多くの共感を呼び、
詩『子は親の鏡』は、37カ国語に翻訳されました。

『 子 は 親 の 鏡 』

ドロシー・ロー・ノルト

  • けなされて育つと 子どもは 
    人をけなすようになる
  •  
  • 誉めてあげれば 子どもは 
    明るい子に育つ
  •  
  •  
  • 殴られて大きくなった 子どもは 
    力にたよることを おぼえる
  •  
  • 愛してあげれば 子どもは 
    人を愛することを学ぶ
  • 殴られて大きくなった 子どもは 
    力にたよることを おぼえる
  •  
  • 愛してあげれば 子どもは 
    人を愛することを学ぶ
  • 不安な気持ちで育てると 
    子どもも 不安になる
  •  
  • 分かちあうことを教えれば 
    子どもは思いやりを学ぶ
  • 叱りつけてばかりいると 
    子どもは 「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
  •  
  • 親が正直であれば 子どもは 
    正直であることの大切さを知る
  • 励まして育てられた 子どもは 
    自信を持つようになる
  •  
  • フェアプレーを経験した 
    子どもは 公正を おぼえる
  • 広い心で接すれば 
    忍耐をおぼえ キレる子にはならない
  •  
  • 可愛がられ 抱きしめられた 
    子どもは 世界中の愛情を 
    感じとることを おぼえる


 昨今、子供が本を読むことが少なくなったと報じられていますが、それは、親が本を読まなくなったからだと私は思っています。
 安松幼稚園においても、保護者用の推薦図書の購読希望は、20年前に比べ激減しています。


上記の詩をまねるなら、
本を読む習慣のある家庭で 育てられた 子どもは
自然と本を読むのが好きになり 自分の世界を広げることを おぼえる
とでもなりましょうか!!


 本の世界は、時間を越えて旅をし、地理的に広大な原野もひとっ跳び、そして読書から生まれた想像と思惟は、瞬時に新しい世界を創ることを可能にします。
全ての家庭の中に、本を楽しむ風が流れる事を、強く願っています。
大人にも子供にも良いことずくめですよ!!