理事長エッセイ

先生の熱意と指導力が安松幼稚園の誇り

平成16年8月
理事長 安井俊明
園児からの自然な言葉かけ
そして 溢れんばかりの笑顔

当園では、昨年度にお母さんの絵本のサークルが誕生し、各学期末に、お母さん方が園児に対して絵本の読み聞かせをしています。
 本年度も、7月5日に8人のお母さんが各教室に出向き、絵本の読み聞かせをされました。その後お母さんから感想のお手紙を頂きましたので、まずはその中から1通を紹介したく思います。

(1)ゆり組 大北誓子
 今日は絵本の読み聞かせの時間を下さり、ありがとうございました。
毎回子供達の真剣に聞いてくれる姿に感動し嬉しく思っているのですが、今日は最後に七夕の歌のプレゼントまでして頂き、びっくりし、とても嬉しかったです。
歌を歌ってくれている時も、一人一人私の顔を見て、大きな口で一生懸命歌ってくれる姿には、ジーンと心に深くしみました。
 それにもう一つ今日は嬉しい事がありました。それは帰り際に私が靴をはいていた時に、バス待ちのゆり組の女の子が(名札を見る事が出来ず残念なのですが)
「今日は絵本を読んでくれてありがとう」と、また言ってもらった事です。
こんなにさらっと口に出せて言える事ってすばらしいですよね!!
今の時代、「おはようございます」の挨拶ですらままならない大人・子供が多い中、改めてこんな言葉をかけてもらって、なんとも言えない嬉しさが体中こみあげてきました。そして「あぁ今日も絵本読んでよかったぁ」「またやりたい!!」という意欲を頂きました。
今日は本当に嬉しい一日でした。その事をお伝えしたくペンを取った次第です。
お友達、先生方、本当にありがとうございました。

 次に当園の園児達について、芽生え教室のお母さん方の感想を数点紹介します。
 (芽生え教室は、入園前の一年、月に3回、母子ともに集う教室です。5月から始まりますので、今の時点で、7回開催されています)

(2)日根野Y.Kさん
「芽生えクラブにまだ数回しか参加していませんが、廊下やトイレで出会う在籍園児が皆笑顔な事、 挨拶がきちんと出来る事に、(園児達には)あたり前の事なのでしょう、とても自然な様子でした。園長先生の話される事にも共感を覚えます。」

(3)泉南市O.Yさん
「芽生えクラブに通って、園長先生はじめ先生方の元気いっぱいの前向きで積極的な姿と、子供への接し方(最初、子供の名前を呼ぶときに『〇〇さん』と、一個人として名前を呼んで下さった事に驚きました)や、貴園の教育理念に感銘を受けました。
 在園児を見ていて、貴園であれば、子供が親や先生にさせられるという受身でなく、物事の善悪や、したい事すべき事を自ら考え判断し行動し、意見を言える子に育っていくと確信いたしました。」

次に園見学に来られたお父さんのお話です。
 たまたまその日は、プール遊びの日でしたが、まずは3歳児が水彩画(りす組はお魚:うさぎ組はスイカ;きりん組はてんとう虫)に取り組んでいるところを見学されました。次に芝生やプール遊び、そして2階へ移動されたのですが、
(4)帰り際のお父さんのお話です。
 「水彩画では、子供が描きたいという気持ちになっていることに感動しました。またプールはもちろん、どの場所であっても園児達の顔いっぱいの笑顔と元気さはすごいですね。
そして一番驚いたのは、階段の途中である男の子が、『今日はプールがあったから、階段のところが少しぬれているんで、滑らんように気ぃつけんとあかんで―』と、自然な言葉で話しかけ注意してくれたことです。大人でも出来ないことで……」と、本当に感心されていました。
(理事長注;プールの際は、床にタオルなどを敷いてぬれて滑らないように、またぬれた後はすぐにふき取ったりと注意しているのですが、子供の体から落ちる水などが少し残っていたのです)

(5)次に7月2日の授業参観に来られたお父さん(左近さん)との、運動場での話です。
「ここの幼稚園の子供は本当に伸び伸びしている。姉の時もそうだったが、幼稚園生活をものすごく楽しんでいる。あの子供達のニコニコの表情を見てたら分かりますわ。小学校もあったらなぁ」

(6)最後は、泉佐野市役所近くの喫茶店マイセンの方のお話です。
 安松幼稚園の3歳児を含んだ親子連れのお客さんに来て頂きました。ジュースを飲み終わった際、その丸顔のお子さんは「ごちそうさま」と言ってくれました。私も一瞬はっとなり、何か言葉を返さなくてはと思い「どうも…」とか返答しました。するとその3歳のお子さんは「よろしゅうおあがり」と自分に言い聞かせるように言いました。お母さんは「夕食のときなど、子供が『ごちそうさま』と言うのに対し、私が黙っていると『よろしゅうおあがり』と自分で自分に言うんですよ。幼稚園で聞いたことが、家庭でも外の喫茶店でも自然に出てくるんです。大人の方が教えられますわ」と喫茶店の方に説明されたとのことでした。(以上)

 幼稚園で給食指導が始まって、わずか2ヶ月。教え込まれるのではなく、生活の中で自然と身に付き、どこであろうとスーッと出てくる。私もこの話を聞いて、3歳児からの自然な言葉かけに頭が下がりました。

 入園前で、当園の園児の様子を自分の眼でご覧になっていないお母さんから、「安松幼稚園は厳しいといううわさを聞きますが」という問いかけがたまにあります。が、実際に当園の園児達と間近で交流された方々の、「子供達の自然な言葉かけ・溢れんばかりの笑顔に感動しました」という感想が、全てを物語っていると思います。

 7月の2日から10日にかけて、保護者の方から上記のようなお手紙や感想を多くもらいましたのでここに紹介しました。

各幼稚園には、それぞれの方針があります。しかし決め手となるのは、幼稚園に在園している園児達の表情・姿が活き活きしているかどうかだと思います。
 園児からの自然な言葉かけ、そして溢れんばかりの笑顔は、当園の一番の誇り
であり、そのように育っていることを、保護者の方々共々、喜びたく思います。またこのように育っていくのも、例えば 子供の「ごちそうさま」に対して、園長先生をはじめ全ての先生が、「よろしゅうおあがり」と綺麗な日本語で声かけをするという日常の生活があるからなのです。
これこそ教え込みでなく自然に身に付くということです。この夏休み、ご家庭でも生活の中で、色々な語りかけの交流がありますように!!
2学期には、全員元気な顔を見せて下さいね!!(安松幼稚園新聞第47号より)